七夕は、笹の節句、星祭ともいわれる、五節句の一つです。
七夕の時季のお茶会といえば、京都では貴船神社の水まつりと七夕神事が毎年7月に行われています。私は、毎年行きたいなと思いながらも、平日仕事や何か用事で未だに行けておりませんが、御家元による献茶式が行われるそうです。
茶道体験古都でも、七夕の季節を感じながら、お茶会を楽しんでもらいたいと、6月後半から、七夕茶会を企画しています。
七夕の由来
七夕といえば、織姫と彦星の伝説が有名ですね。
それまで働き者だった織姫と彦星は、結婚後、機織りも牛使いの仕事も怠けるようになり、罰として天帝は、天の川を隔てて二人を離れ離れにしてしまいました。しかし、二人を不憫に思った天帝は、七夕の夜だけ二人の再開を許すことにした、という伝説です。
この伝説の再会の日を祝う中国の行事に「乞巧奠」(きっこうでん)があります。
これは、裁縫や詩歌の上達を願うものだそうで、平安時代に日本に伝わり、京都の冷泉家では旧暦の7月、つまり8月8日に今でも儀式が執り行われています。
また、元々日本の旧暦の7月は、お盆の準備期間であり、お供え物として、乙女が水辺に棚を立てて機を織るという行事があったようです。
これらが合わさったものが、現在の七夕であると言われています。
梶の葉
七夕といえば、天の川や星が思い浮かぶことが多いですが、梶の葉も実は重要な役割があります。中国の「乞巧奠」(きっこうでん)によると、サトイモの葉にたまった夜露を天の神から受けた水だと考え、それで墨を溶き、梶の葉に和歌を書いて願いごとをしたのだそうです。
梶の葉は、細かい毛がたくさんあるので、筆で書きやすいのだそうです。
お茶碗にも、梶の葉が描かれているのは、そのような由来があるからなのですね。昔から神聖な植物として考えられているようです。
七夕のお点前といえば、葉蓋
裏千家では、七夕の時季に、「葉蓋のお点前」があります。普段使う、水差しの蓋が、梶の葉になるのです。
とても涼し気で、七夕らしいです。
水差しは、基本は、末廣籠の花入の落とし(筒)を転用しますが、やきものや、趣向でガラスを使うこともあります。
葉も、梶の葉でなくとも、桐や蓮などで、においや毒気のあるものでなければかまいません。
裏千家11代玄々斎宗匠がお好みの末廣籠を使ってご考案されたお点前で、お稽古でも七夕の時季になると、葉蓋の扱いを練習します。
なかなか梶の葉を毎日入手するのは難しいと思いますが、お茶碗やお菓子など、七夕らしいものを選んで、七夕茶会を開催予定です。