茶道 お茶会にふさわしいきものってどんな着物?
お茶会も、どんな趣旨のお茶会なのか、形式はどのようなものかによっても、ふさわしい着物は変わってきます。
例えば、気軽な集まりのお茶会に、訪問着は格が高すぎるかもしれないし、逆に初釜など華やかな席には、落ち着いた色無地ではちょっと寂しいかもしれません。
着物の種類をチェック
まずは、着物の種類を確認しておきたいと思います。
大前提として、織の着物か、染の着物か?を確認しておきましょう。
織の着物とは、紬に代表される、先染めのきものです。これらは、お洒落着で大変高価なものも多いですが、お茶席のきものとしてはあまりふさわしくはありません。
気軽なお茶会で、「お客様」として参加する分には、絶対にだめというわけではないのですが、
あなたの年齢が若く、経験が浅い場合は、周りで厳しく見る方も多いと思いますので、避けた方が無難かもしれません。
次に、着物の格を確認します。上から順番に、格が高い着物になります。
①訪問着
上前から下前まで柄が続くように染められており、華やかな、格の高い着物が訪問着です。
お茶会には、松竹梅、鶴、亀、鳳凰、龍、宝尽くし、扇、貝桶、菊・桐といった古典柄がふさわしいでしょう。
帯は袋帯を合わせます。これもまた亀甲や七宝等、古典柄の織の帯がよいでしょう。
②付下げ
着た時に模様がすべて上を向くように描いたもの。
柄行が訪問着ほど華やかではないため、落ち着いた雰囲気になり、お茶席には大変重宝します。
紋が入っていると格が上がります。一つ紋が、様々なシーンに使えるので、最適だと思います。
③色無地
色無地は、帯合わせ次第で、様々なシーンに応用できる、非常に便利な着物です。
もし、1枚目の着物を作ろうとされているなら、個人的には、色無地一つ紋をおすすめします。
お茶会のための色無地は、紋を入れておきましょう。お点前を担当する場合も、お客様としても、オールマイティーに着られるので、1枚持っていると重宝します。
一つ紋にとどめておくと、様々なシーンに使えますが、逆に、フォーマルな席で使いたい場合は、3つ紋にしても良いでしょう。
④江戸小紋
江戸小紋は、とても細かい地紋なので、遠目に見ると、色無地のように見えます。
地紋は、鮫、霰、格子など。
江戸小紋も、色無地同様に、帯合わせ次第で様々なシーンに使えます。
⑤小紋
気軽なきもので、柄行も上を向いたり、下を向いたりしています。
この写真は、弊店での外国人留学生をお迎えしての茶道体験です。
体験教室ですので、格の高い席ではありませんので、このような感じです。
華やかな大判の花柄などは、あまり月釜などお茶会にはふさわしくはありませんが、小紋の中でも、「飛び柄」で色無地に近い感覚で着られるものもあります。
お客様として、気軽なお茶会に参加する分には、飛び柄小紋もまったく問題ないと思います。
シーン別おすすめ 茶道のきもの
茶道の着物、何が良いの?と迷われる場合は、お茶席に出席予定のある方だと思います。
よくお呼ばれする機会のあるお茶会を、シーン別にピックアプしてみましたので、ご参考にしていただければと思います。
初釜
初釜は、大変華やかな、おめでたい席です。
訪問着や付下げ等、華やかなきものに袋帯を合わせてはいかがでしょうか。
振袖は、普通のお茶会にはふさわしくありませんが、初釜では、「若い人は振袖を着て来てほしい!」と先生がおっしゃることもあります。
できれば、先生に一度確認をされると良いでしょう。
野点や学祭などの学校行事でのお茶会
初釜とは逆に、あまり格の高い着物を着ていくと、浮いてしまう恐れがあります。
学校行事であっても、どこかのお茶室を貸切って行うお茶会なのか、校舎の中で行う野点形式なのか、確認しておくと良いでしょう。
野点は、若い方なら、かわいい小紋でも十分だと思いますよ。
お寺や神社での月釜・お茶会
月釜にも、気軽なお茶席と、少し敷居の高いお席があり、色々だと思いますので、これは行かれたことのある方から、事前に雰囲気を聞いておかれた方がよいと思います。
○○のお席は、初心者の方にもおすすめで、気軽に行ける場所ですよ。とか、△△のお茶席は、月釜の中でも、格が高い場所だから、フォーマルにしていきましょうなど、教えていただけると良いですね。
分からないという場合は、色無地1つ紋に、古典柄の織の帯が無難で、オールマイティーに使えると思います!
予備知識 季節によっても変わる着物の種類
・10月~5月 袷(あわせ)
・6月・9月 単(ひとえ)
・7月・8月 絽や紗(ろ・しゃ)
帯や帯揚げ、襦袢も絽に。帯締めも、レースなど夏物になります。
とくにお稽古をされていなくても、お茶会に呼ばれることはあると思いますので、お着物の知識も、参考にしていただければと思います!