未分類

お茶会の楽しみ方

お茶会の楽しみ方

お茶会って堅苦しくない?楽しみ方は?

お茶会は、堅苦しい、マナーに厳しい、そんなイメージを持っている方も多いと思います。それも一面ではありますが、茶道は「総合芸術」と言われ、楽しめるポイントがたくさんあります。茶筅をふるだけではないの?お菓子と抹茶ならカフェの方が気楽でいいわ。

そんな声も伺いますが、ちょっと待って下さい。

お茶室には、少しの緊張があるからこそ、心を研ぎ澄まして得られる感動があります。

お茶会の楽しみ=「抹茶と和菓子」と思われている方が多いので、今回はそれ以外のことをご紹介したいと思います。




お軸と花を拝見

 

風炉の床.JPG

 

まず、お茶室には行って拝見するのはお床です。

お軸は、そのお茶会のテーマ、道具組を決める重要なものです。意味は、恐らく後でお正客と亭主の会話の中で知ることができますので、もし何と書いてあるのかわからない場合も、まずは筆跡や軸荘を拝見してみましょう。

私は、美術館で日本画を見る時や、書物の展示を見るときも同様に、軸荘のお裂地の模様や色の取り合わせも見て楽しんでいます。

お花は季節のお花が入れられています。

お花は茶室の中で唯一生きているものです。「野にあるように」入れられています。

季節を感じてみましょう。

 

また、花入れも見所です。素材は竹であれば、青竹か古い竹かによっても雰囲気が変わりますし、焼き物も形や色、肌の景色を見てみましょう。

 

 


お道具を拝見-お茶碗

 

茶碗.jpg

お茶会で使われているお道具や、その組み合わせを拝見するのを楽しみにしています。お茶会では会記が置いてあることも多いので、そこでお道具の作者(お作)や名前(御名)を知ることができます。

釜や棚、水差、水次、茶入、茶杓、お香合等、たくさんのお道具が使われています。

紙製品には表具師、釜は釜師、風炉や色絵付けの水差は土風呂・焼物師、竹製品には竹細工・柄杓師、茶碗には茶碗師、閑張の製品には一閑張細工師、塗り物には塗師、金工品は金もの師、棚・炉淵など木製品には指物師とそれぞれに専門の職人の方や作家さんがいらっしゃいます。

同じ黒い楽茶碗だとしても、大きさや形、景色が一つとして同じ物はありません。

同じ「桜」のお茶碗でも、咲き誇る八重桜や慎ましい枝垂れ桜、花びらが水辺を流れる姿等、いろいろな桜の景色があります。

 

お茶会の少しの緊張感は、その繊細な感性を感じ取れる雰囲気を作ってくれているように思います。

お客様に一番身近なお道具は、きっとお茶碗です。まずは、ご自分がお茶をいただかれたお茶碗を拝見してみましょう。

 

 

お点前を拝見

 

tea ceremony

お辞儀、足運び、手の位置、指、お道具の位置、速度(間)。

決して「茶筅をふっているだけ」ではありません。同じお道具で同じお点前でも、人によって雰囲気が違うものになります。また、同じ人でも、その時の気持ちが反映され、いつも同じではないかもしれません。所作や間の取り方によって、見る人に与える雰囲気が変わってきます。

便利な時代、お点前などしなくてもコンビニに行けばお茶もお菓子も買えますが、お茶が点てられるまでの時間・プロセスを楽しむのは、本当に豊かな気持ちになります。「今、私のために点てていただいた」という感動もあり、「大切にされている」と感じられます。

 

 

たったひとつのものを大切に扱うー茶入・茶杓

 

棗を出す.jpg

お点前の最後に、茶入れ(棗)と茶杓が拝見に出されることが多いです。

素材を確かめるためにたたいてみたりはせず、大切な人に接するように、傷つけないように丁寧に扱って見せていただきましょう。

お正客は、「お茶入れは?」「お茶杓は?」と御名や御作を伺います。竹の耳かきみたいなのに名前がついているの?と驚く方もいらっしゃいますが、一つ一つが職人さんや作家さんによって作られたお道具です。御名も、詩的な美しい風景が思い浮かぶものであったり、心に響く禅語であったりしますので、注目してみましょう。

 

茶道体験古都のお点前で使用している棗・茶入れは、木材と漆でできているものです。練習用のプラスチックではありません。

古都は気軽な体験施設ですが、せっかくの機会ですので、本物に触れて見て下さいね。

 

使い捨ての物が溢れる日常から離れ、たった一つの物を大切に扱う。

日常生活にもその精神を取り入れて、ご飯やお茶を準備してみたいですね。

それは、心豊かに過ごせる瞬間です。

 

 

Return Top